【御朱印巡り】清澄白河・勢至院の御朱印|数々の大災害を逃れた“秘仏”勢至菩薩

東京都江東区、清澄白河にある浄土宗 大智山 勢至院(だいちざん せいしいん)で御朱印をいただいてきました。カフェの街として人気の清澄白河ですが、一歩路地に入れば、江戸時代から続くお寺が立ち並ぶ「深川の寺町」。その一角に、ご本尊として珍しい仏様をお祀りする勢至院があります。

いただいた御朱印について

今回の御朱印は、勢至院の個性がぎゅっと詰まった一枚でした。

右側には、参拝の証である「奉拝(ほうはい)」と、拝受日の「令和八年 四月廿二日(4月22日)」。

そして中央の墨書は、なんと「秘佛 勢至菩薩(ひぶつ せいしぼさつ)」。ご本尊が秘仏であることが、そのまま御朱印の言葉になっています。中央の朱印には、勢至菩薩が乗る蓮華座とそのお姿が朱く力強く捺されています。

左側には山号・院号の「大智山 勢至院」、左下には丸い印の中に「勢至院」と刻まれた印が添えられています。墨書の「秘佛」の二文字に、思わず背筋が伸びるような御朱印です。

勢至院の基本情報

正式名称:浄土宗 大智山 勢至院
宗派:浄土宗
ご本尊:勢至菩薩(秘仏/木造勢至菩薩坐像・江東区指定有形文化財)
創建:1676年(延宝4年)
開山:本誉太巌上人
所在地:東京都江東区三好1丁目4-5
アクセス:都営大江戸線・東京メトロ半蔵門線「清澄白河駅」から徒歩約5分

見どころ① 名刹「霊巌寺」とつながる創建の由来

勢至院を開いたのは、江戸の名刹霊巌寺(れいがんじ)を開いた霊巌上人の弟、本誉太巌(ほんよたいがん)上人です。

ご本尊の勢至菩薩像は、もともと霊巌上人が自ら彫り上げ、寛永6年(1629年)に霊巌島へ創建された霊巌寺の「勢至堂」に祀られていたものと伝わります。やがてこの尊像を護持するかたちで、1676年(延宝4年)に勢至院が開かれました。ご本尊そのものの歴史は、お寺の創建よりもさらに古いというわけです。

見どころ② 全国的にも珍しい“単独の”勢至菩薩

勢至菩薩は、阿弥陀如来の脇に観音菩薩とともに控える「脇侍(わきじ)」として祀られることがほとんどです。智慧の光をもって人々を正しい道へ導く仏様ですが、こちらの勢至院のように勢至菩薩を単独でご本尊として祀るお寺は、全国的にも大変珍しいとされています。浄土宗の宗祖・法然上人は勢至菩薩の化身ともいわれ、その点でも縁の深い仏様です。

見どころ③ 数々の大災害を奇跡的に潜り抜けた“秘仏”

このご本尊・木造勢至菩薩坐像は、通常は非公開の秘仏です。

そして特筆すべきは、その「逃れてきた難」の多さ。江戸の町を焼き尽くした明暦の大火では、太巌上人が自らこの像を火中から助け出して難を逃れました。さらに時代を下って、関東大震災、そして東京大空襲という度重なる大災害をも奇跡的に潜り抜け、今日まで守り継がれてきたのです。

幾度の劫火をも生き延びたことから「非常に霊験あらたか」と信仰を集め、厄除けの強いご利益があるとされています。秘仏であるがゆえに、その存在に手を合わせる時間は格別なものがあります。

まとめ

人気の清澄白河エリアにありながら、江戸の歴史と信仰が静かに息づく勢至院。珍しい単独本尊の勢至菩薩、そして幾多の大災害を生き延びた秘仏という、唯一無二の物語を持つお寺です。「秘佛 勢至菩薩」と記された御朱印は、その歴史の重みを感じさせてくれる特別な一枚でした。カフェ巡りのついでに、ぜひ静かな手合わせの時間を持ってみてください。

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