EV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)を自宅で充電するためには、専用の充電用コンセントが必要です。充電設備の導入は、自宅で手軽に充電できる環境を整えるだけでなく、日常の利便性を大きく向上させます。特に、長距離移動をする機会が多い方や、毎日車を使用する方にとっては、自宅での充電環境があることが大きなメリットとなります。しかし、どのような種類の充電コンセントを選べばよいのか、工事はどのように進めるのか、費用はどの程度かかるのかといった疑問を持つ方も多いでしょう。本記事では、EV・PHEV用の充電コンセントについて、種類や工事の流れ、費用相場などを詳しく解説し、導入を検討する際に役立つ情報を提供します。
EV・PHEV充電用コンセントの種類
EVやPHEVを充電するためのコンセントには、大きく分けて「普通充電」と「急速充電」の2種類があります。自宅に設置する場合、一般的なのは普通充電用のコンセントですが、その中にもいくつかのタイプがあります。どのタイプを選ぶかによって充電時間や設置費用、利便性が大きく変わるため、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。
普通充電には、AC200Vを使用する「単相200Vコンセント」が主流です。これは、家庭用の100Vコンセントに比べて充電速度が速く、一般的なEVやPHEVの充電には十分な性能を持っています。100Vコンセントでも充電は可能ですが、1回の充電に10時間以上かかることもあり、実用性を考えると200Vが推奨されます。普通充電には「コンセント型(Mode 1、Mode 2)」と「充電スタンド型(Mode 3)」があり、後者のほうが安全性が高い仕様となっています。充電スタンド型は防水性や耐久性に優れており、屋外設置にも適しているため、ガレージがない家庭でも安心して使用できます。
一方、急速充電器はDC(直流)を使用し、大容量の電力で短時間で充電できる設備です。例えば、CHAdeMO規格やCCS規格といった国際的な規格があり、商業施設や高速道路のサービスエリアなどでよく見かけることができます。急速充電器を自宅に設置することも技術的には可能ですが、設備費用が高額であり、電気契約の変更が必要な場合も多いため、一般家庭向けとしてはあまり普及していません。また、急速充電はバッテリーへの負荷が大きいため、頻繁に使用するとバッテリーの寿命を短縮させる可能性がある点にも注意が必要です。
EV・PHEV充電用コンセントの設置工事
自宅にEV・PHEV充電用コンセントを設置する場合、まずは現場調査が必要です。設置場所の確認、分電盤の容量、電気契約の内容などを確認し、適切な設備を選定します。特に、分電盤の容量が不足している場合は、増設工事が必要になるため、事前に確認しておくことが重要です。また、設置する場所によっては屋外用の防水仕様のコンセントを選ぶ必要があるため、どのような環境に設置するのかも考慮しましょう。
工事では、主に「コンセントの設置」と「電気配線工事」の2つが行われます。コンセントは屋外の駐車場やガレージ内に設置されることが多く、壁面に取り付けるタイプが一般的です。電気配線工事では、分電盤から充電用コンセントまでの配線を行い、必要に応じてブレーカーの増設を行います。また、漏電遮断器の設置も安全性を確保するために重要です。
設置工事には通常数時間から半日程度かかりますが、分電盤の増設や電力会社との契約変更が必要な場合は、1日以上かかることもあります。特に、電力会社との契約変更が必要な場合は、手続きに数週間かかることもあるため、早めの準備が大切です。
EV・PHEV充電用コンセントの費用相場
充電コンセントの設置にかかる費用は、選ぶ設備や工事内容によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。
・単相200Vコンセントの設置:5万円〜10万円 ・充電スタンド型の設置:10万円〜20万円 ・急速充電器の設置:50万円以上
この他、電気契約の変更や分電盤の増設が必要な場合は、追加費用が発生します。例えば、分電盤の増設には3万円〜5万円程度、電力契約の変更には数千円〜1万円程度かかることがあります。
また、自治体によってはEV・PHEV用の充電設備設置に対する補助金が用意されていることもあります。補助金を活用することで、設置費用の負担を軽減することができるため、事前に自治体の制度を確認することをおすすめします。
EV・PHEV充電用コンセントの選び方
充電コンセントを選ぶ際は、主に以下のポイントを考慮することが重要です。
・自宅の電気容量:分電盤の容量が不足している場合、増設工事が必要になるため、事前に確認が必要です。 ・駐車スペースとの位置関係:充電ケーブルの長さが足りるか、車を停めたときにスムーズに充電できるかを考慮しましょう。 ・充電速度:急ぎの充電が必要な場合は、200Vコンセントや充電スタンド型を選ぶと便利です。 ・安全性:漏電遮断器や防水仕様のコンセントを選び、安全な環境で充電できるようにしましょう。
まとめ
EV・PHEVの普及が進む中、自宅に充電用コンセントを設置することの重要性はますます高まっています。充電コンセントには普通充電と急速充電があり、家庭用としては単相200Vの普通充電コンセントが一般的です。設置工事には電気配線工事が伴い、費用は5万円〜10万円程度が相場です。自治体の補助金制度を活用すれば、コストを抑えて設置することも可能です。
自宅で充電環境を整えることで、EV・PHEVをより便利に、経済的に活用できるようになります。これからEV・PHEVの導入を検討している方は、ぜひ自宅の充電環境についても考えてみてください。
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